毎日くるしい

この自粛期間で多くのアイドルがこぞって自身の"日常"を提供している。それは手料理であったり、雑談であったりするが、どうやらアイドルも私たちと似たような生活を送っているらしい。


アイドルは私の生活の中で"非日常"の役割を持つ存在だ。でも、毎日更新される彼らの部屋から届くコンテンツを見ていると、何だか私の日常とアイドルの日常の境い目が溶けて無くなってしまいそうな錯覚を起こす。自担の部屋の壁とクローゼットの色と配置が自室のそれととてもよく似ているから、自担の部屋と私の部屋が繋がっているんじゃないか、なんて。勿論有り得ないけど、ぼーっとそんなことを思う。


まだ自担はオタクの質問に答える企画はやっていない。もし始まったら私は質問を送るのだろうか。きみの全部を話してほしいけど、きみの全部は知りたくない気もする。話してくれることだけで充分だ。そこを好きになるから。


夏はきっと来ない。多少感染者数が減ったとしても、おそらく当分コンサートなどできる状況ではない。このおそろしいなにもない期間がいつまで続くか分からない。私がいちばん見届けたかった蒼い季節はステージの上ではなく、彼の家の中でひっそりと輝きを放ち、終わるのだろうか。